日本刀や刀装、あるいは面頬などの各部位の名称や、商品解説中にみる難解な用語は誰しも最初はその意図する内容が分からずに頭を抱えた経験をお持ちのことと思います。このコーナーでは、これから武家美術品の収集を始められる初学者のお客様を念頭に、少しでも皆様方のご理解の助けとなるように情報を厳選してお届けするコーナーです。特に入門者の方々に喜んでいただければ幸甚です。
日本刀各部の名称(刀身)
先幅[さきはば]
横手筋部分で計測した身幅
物打[ものうち]
横手筋の下、約10センチ。裁断に際してもっとも使用頻度の高い部分
刃文[はもん]
焼入れによって生じた模様
刃[は]
焼入れによって硬質化した部分。焼刃
刃取り[はどり]
焼刃部分に沿って施された白い研艶
反り[そり]
鋒と棟区を結ぶ直線と棟との間の、最も長い距離の長さ
身幅[みはば]
棟から刃先までの長さ
刃縁[はぶち]
刃文と平地(鎬筋から刃先にかけての部分)の境界部分
鎬筋[しのぎすじ]
横手筋から茎尻まで通っている稜線
重ね[かさね]
刀身の厚み
刃先[はさき]
鋒から刃区まで通る刃の先端部分
棟(峰)[むね(みね)]
刀身の背の部分
刃区[はまち]
茎と上身の境界のうち、刃の方の部分
棟区[むねまち]
茎と上身の境界のうち、棟の方の部分
元幅[もとはば]
区部分で計測した身幅
鑢目[やすりめ]
茎が柄から抜けにくくするために付けられた刻み目
目釘穴[めくぎあな]
茎と柄を固定する目釘を通すための穴
銘[めい]
刀工名や製作年紀などを彫ったもの
茎尻[なかごじり]
茎の下端の部分
帽子[ぼうし]
鋒部分の刃文
ふくら[ふくら]
横手筋から鋒の先端にかけての曲線
小鎬筋[こしのぎすじ]
鋒部分の鎬筋
三ツ頭[みつがしら]
鎬筋、こ鎬筋、横手筋の交点
横手筋[よこてすじ]
平地と鋒の境界となる線