刃文の焼き入れ

日本刀の鍛造で最も大切な工程に刃文の焼き入れがあります。
焼刃土を薄く刃部に塗り、地鉄部分には焼きが入らないように厚く焼刃土を塗って刀身を高温に熱して一気に水で冷却して刃文を焼き入れます。

一つ疑問に思うのは刃文を急激に冷やすのになぜ焼きを入れる刃部にも焼刃土を塗るのかという点です。

焼刃土を塗らずに水で急冷した方が早く刀身が冷めると思いますが、実は焼刃土を刃部に塗った方が急速冷却すると化学的に証明されているというからおどろきです。焼刃土を厚く塗った場合と何も塗らない場合は刀身表面に接する水が膜沸騰と呼ばれる状態になります。

一方焼刃土を薄塗りすると核沸騰という気泡を伴う沸騰状態になります。熱伝導の効率はこの核沸騰が効率が良く結果薄塗りしたほうが早く刀身表面が冷却されるという理屈です。

古の刀匠が技術の研鑽の中で文字通り体得した作刀上の技術の確かさを知ることができますね。日本刀って本当に素晴らしい!

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